近左、200年への布石
初代近左は天保年間より漆の仕事を本格始めるようになり
以後、代々近左は幕末・明治・大正・昭和
そして平成の各時代を経て、漆工芸の道を歩んで参りました。
蒔絵はもちろんの事ですが、さらに青貝・螺鈿・鉛を取り入れた琳派風の作品や
漆絵・イジ塗・錆塗等のたたき塗の技法も随所に取り入れ
多彩な漆芸の作品を創作しております。
よく近左さんの特徴はと聞かれますが、漆芸全般にわたり
その作品を仕上げるにあたっては、どのような技法を用いれば
自分が表現したい作風に成るかと、常に試行錯誤の繰り返しでございます。
初代が生を受け、間もなく200年を迎えます。
代々がその個性を発揮し、彩り豊かな作品を創作して参りました。
妥協する事無く、自信を持って作品を見て頂けるよう精進して参ります。
- 川端 近左
- KINSA KAWABATA
略歴 Biography
- 昭和41年
- 大阪市立工芸高等学校(美術家 日本学科)卒業
- 昭和45年
- 京都市立芸術大学(漆芸科)卒業
卒業後 父 5代近左に師事
襲名後 「襲名記念 6代 川端近左 漆芸展」を各地で開催
心を彩る、豊かな世界へ
私は祖父三義(五代近左)、父一价(六代近左)の漆芸一家に生をうけました。
幼き頃より祖父や父の影響を強く受け、漆芸に慣れ親しんで参りました。
また、自然に対する愛おしみが強く、季節ごとに変化する雲の形や流れゆくさま
お風呂屋さんの煙突からもくもくと立ちのぼる煙を眺めては
心揺さぶられる、幼少期の感性を今も大切にしております。
さらに、植物や昆虫の世界にも惹かれ、十数年前から山村御流を習っております。
作品の中に鈴虫蒔絵の棗や香合が登場するのも
素朴で自由な世界観を表現したいという気持ちの現れです。
現在は父の元で歴代近左の技と伝統を継承する為に日々励んでおります。
今後も、歴代近左の教えに帰依すると同時に、
心豊かに森羅万象を慈しむような自然体で暖かみのある世界観を
様々な表現方法を用いて、作品に込めて参りたいと思います。
- 川端 近左
- KINSA KAWABATA
略歴 Biography
- 1978年
- 大阪に生まれる
- 1999年
- 奈良芸術短期大学 洋画コース卒業
- 2001年
- 石川県立輪島漆芸研修所 専修科 蒔絵コース卒業
- 2002年
- 卒業後6代川端近左に指示
- 2006年
- 大阪工芸展 勢力蒔絵花器 奨励賞受賞
- 12月
- 京都高島屋工芸サロンで初個展
- 2013年
- 大阪高島屋ギャラリーNEXT初個展
- 2014年
- 京都高島屋個展